その九『各爻の意味合い』

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★咲華の易学問答コンテンツ★
その壱 易を始めたきっかけ
その弐 易で占えること
その参 易の魅力と欠点
その四 陰と陽について
その五 八卦のイメージ
その六 内卦と外卦について
その七 易の変爻について
その八 易の吉凶の判断について

その九

各爻の意味合い

その十

いろいろな卦の変化
 〜『変卦について』


 
キラリ
 
先生!易の各卦は、初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻という6つの位置に、
陰陽を積み重ねることによって出来ていますよね。
その各爻の意味、各爻の位置が持つ意味といったようなものについてお聞きしたいとおもいます。
 
 

咲華
 

 初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻とあるよね。これは基本的には初爻から順に卦のかたちが進んでいきます。易には基本の卦の意味がまずあるでしょう。そして、初爻が卦の意味が強く、上爻に至って卦の意味が弱くなるような卦もあるし、また逆に、初爻は卦の意味が弱く、上爻に至って卦の意味が強くなる卦もあります。それによって各爻の持つ意味合いというのも違ってくるんですが、基本的には初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻と進むにしたがって卦が進む、卦の意味が進むということがいえます。

例えば一番わかりやすいのは『火水未済(かすいびせい)』という卦があるよね。これなんかは先程言ったパターンの典型的なものです。この卦は、初爻が陰、二爻が陽、三爻が陰、四爻が陽、五爻が陰、上爻が陽。そして『火水未済』」の『未済』とは、『未だならず』という意味で、まだ結果は出ないけど、いずれ出てくるどいう意味がかけられている。

 これはまず初爻・二爻・三爻、つまり内卦(下卦)は『未済中の未済』と言われている。そして四爻・五爻・上爻の外卦(上卦)は『未済中の既済(きせい)』と言われている。つまり『未済』とは、『未だ成らず』とどいう意味で、今は成就しないけれどもいずれ成就する可能性がある、ということだから、その『成らない』状態、完備されていない状態を強く表しているのが初爻文であって、上爻になると『未済』の時が終わりかけていると見る。つまり物事が『成る、成就する』時期を示唆しているんだね。

 例えば、ある願いがあって「成就しますか」という事を占って『火水未済(かすいびせい〉』を得たとしようよ。初爻・二爻・三爻を得たのであれば、まだまだ成就の気運は動いていないと判断します。しかし四爻・五爻・上爻と、上爻に近づけば近づくほど『未済』の時が終わり、『既済(きせい)』の時が近づいている、物事が成就するような時期、状態、条件が整っているよ、ということが言えます。 

 
 
 
 
なるほどなるほど。
 
 
 

 同じパターンの卦としては、『地天泰(ちてんたい〉』という卦があります。この卦は、下から(易では各爻は下から順に初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻と積み重なっていきます。これは易独特の決まりなので覚えておいてください〉、つまり初爻から数えて陽・陽・陽・陰・陰・陰だね。これも、
初爻・二爻・三爻の内卦は『泰中の泰』と呼ばれ、四爻・五爻・上爻の外卦は『泰中の否』と呼ばれています。
 『地天泰〈ちてんたい)』という卦と、『天地否(てんちひ)』という卦はお互いに対照として表されます。『否』は否塞(ひさい)、つまり塞(ふさ)がって通じないことです。そして『泰』は安泰であり、完全であり、いまは変化することがなく、崩れることがないという意味を表します。そしてその意味は初爻・二爻・三爻において強いんだ。そして四爻・五爻・上爻においては、この抗態が崩れていくというイメージになってくるんだよ。つまり安泰の状態が、崩れていくようなイメージ、可能性が現れてきます。

 古い話になるげどね、去年引退した野球選手で、横浜ベイスターズの駒田選手を知ってますか。彼は最初巨人にいました。そして、『満塁男』としてデビューしたんですよ。満塁ホームランをバカバカ打ってたんですね。そして私が20歳少し過ぎた頃が、ちょうど彼のデビューした時期だったんです。その頃に今後の彼の選手活動はどうなるかということを易で占ったことがあります。そうしたら、『地天泰(ちてんたい〉』の上爻を得たわけです。私は、『泰』の卦が意味するところの活動の基盤とか、下地とか背景とか、そういうものがもうすぐ終わると読みました。上爻のことぱの中に、『城、隍(ほり〉に復(かえ)る』というのがあって、これはお城の隍(ほり〉が空になって埋めつくされてしまうということだから、隍〈ほり〉が隍(ほり〉としての役をなさなくなるという意味だよね。つまり、活躍しなくなっていくだろうど判断したことがあります。

 
 
 
 
それから駒田選手は横浜へ移っていったということですか?
 
 
 

 いえ、違います。そうじやなくて、これは駒田選手がデビューしてパーッと活躍して、その後しばらくあまり試合に出てこなくなった、その頃のことです。

 あとね、サッカアストロサービスの会員の−人に「私の家においでなさい」という誘いをして、来るか来ないかを占ったときに『天地否』の上爻を得たことがあるんです。これは『否』が終わるんです。『否』つまり塞がって亨(とお)らない状態が終わることを表します。だから、この人は初めは来る気がなかったんでしょう。来る気がなかったんだけれども、私と会って話さなければらちがあかない状況ができてきて、来ようと思い始めている。 

 そして『否』の上爻が変じると『沢地萃(たくちすい)』になります。『萃』は集まるという意味だから、来るだろうと判断しました。『泰』と『否』はこうやって判断するんです。全ての卦がこういうふうになるわけではないけれどね。
 

 
 
 
 
なるほどぉ!そういった解釈ができるんですね〜。もっといろんな例を教えてください!
 
 
 

 例えば『天山遯(てんざんとん)』という卦があります。これは君子が山の中に入って隠遁(いんとん)するという卦で、上爻に行くにしたがって隠遁するイメージが強くなります。だから初爻・二爻・三爻のうちは、隠遁したくてもできない、後ろにさがりたくてもさがれない。しかしこれが四爻・五爻・上爻と、上爻に近づくにしたがって余裕でさがっていくと、そういうふうに変ります。

 もしくは、『風雷益(ふうらいえき)』という卦があります。この卦は初爻・二爻・三爻の方が益のイメージ、吉のイメージが強いんです。この卦は反対の意味を持つ『山沢損(さんたくそん)』と対照として見ます。『益』の初爻は大吉です。しかし上爻は吉どころか大凶の部類に入ります。

 『益』は、上を減らして下を増すという卦で、その反対に『山沢損(さんたくそん)』は下を減らして上を増すという卦なんだね。だから『益』の上爻は、もう増してあげることができない。逆に『損』の上爻は、もうこれ以上減らすものはない、よって発展するというふうに見たりします。

 『地雷復(ちらいふく)』という卦があります。下から陽・陰・陰・陰・陰・陰。これは全爻が陰の状態から、一番下に陽が生じて、それがどんどん成長していく過程であると。だから当然、初爻・二爻・三爻の方が吉のイメージは強いわけです。それが上爻にいくと『十年に至るとも征するあたわず(十年たっても敵国を征伐することはできないであろう)』というようなことばが出てきますからね。

 この卦にも思い出があります。これももう20年くらい前のことになるけど、衆議院議員で医療法人『徳州会』理事長の徳田虎雄さんという方がおられます。その徳田さんが、徳之島出身の方なんだけど、政治の世界に転向して奄美群島区から出馬しました。一番最初か二番目かの選挙のときに占って見たところ、『復』の上爻を得ました。これは『十年に至るとも征するあたわず』だから、10年間選挙に出れない、もしくは当選できないのだろうと判断したんですが、やはりほぼ10年間無理でしたね。

 例えば『艮為山(ごんいさん)』という卦があります。これは留(とど)められるのではなく、自分から留まるという卦です。そしてこの卦の上爻は、それまで自分で意図的に留まっていたものが、また前進する気運が動き始めている、という意味になってくるからね。

 
 
 
 
では『艮為山(ごんいさん)』の初爻は、テコでも動かない!っていう意味ですか?
 
 
 

 そうだね。もしくは、動かない方がいいよ、という忠告を表してくれていたりするね。こういうふうに、初から二、ニから三、三から四、四から五、五から上六というように爻位、つまり爻の位というものがありまして、初爻・二爻・三爻は内卦で自分を表し、四爻・五爻・上爻は外卦で相手を表したりするんですが、上爻というのはその卦が終わるという意味が強い。そして初爻は物事がその卦の気運に入ったばかりという意味合いが強いんです。このような意味合いの卦が多いということは言えます。

 ただ、全部じゃないですよ。だからこれを公式にはできないでしょう。そこが易のややこしいところで…例えばだよ、いままでパッとしなかった事業で『雷水解』を得るとする。これは、悩みが解ける気運に入っているということを表します。しかし、初爻に近いのか上爻に近いのかによって、悩みが解け始めたところなのか、完全に解け終わる時期なのか判断できます。

 
 
 
 
それは上爻の方が解決という意味が強いんでしょうか?
 
 
 

 もちろんそうです。上爻に近い方が解決に近いということです。
 『雷水解』の上爻はね、日露戦争の時に日本海海戦があって、その時にどんな結果になるかというのを嘉右衛門師が占って出た卦なんです。『隼を塀の上で射る』という爻辞があります。あれは戦争史上まれに見るパーフェクトゲーム、撃滅戦だったわけで、それをこのことばが表しているんだろうね。

 
 
 
 
ロシアのパルチック艦隊を日本海軍が破った時のことですね!
 
 
 

 そうそう。東郷元帥率いる日本艦隊が、ジュストヴェンスキーのパルチック艦隊と戦ったときの卦だね。
 
 でも基本的にはね、全ていま言ったように、初爻は卦の意味が弱くて上爻は意味が強いというわけではないんだよ。反対に初爻が強くて上爻にいくほど弱いという一群もあります。だからどの卦の初爻か、どの卦の上爻かということが問題でね。だから易の体系は、全てを知ってでワンセットと思えばいい。今言ったような、初爻だからこの意味が強いというようなことは全ての卦には当てはまらないからね。その辺が易の一番嫌なところであり、またミソでもあるんだけど。

 
 
 
 
先生、今の質問に関連したことでもうひとつ質問があります!
易の本を読んでいると、例えば六爻のうちの五爻までが陰で、ひとつだけが陽、というような卦の場合、その一陽の支が強い力を持つというようなことが書かれているんですが、これについてはどうなんでしょうか?
 
 
 

 それはね、『主爻』という考え方があるんだよ。つまりその卦の中で中心、主となる爻ということだね。これもその全ての卦において、どの卦が主爻になるかということがわかるんです。
 

例えば『乾為天(けんいてん)』であれば五爻であり
『兌為沢(だいたく)』…上爻
『離
為火(りいか)』 …二爻
『震為雷(しんいらい)』…初爻
『巽為風(そんいふう)』…四爻
『坎為水(かんいすい)』…五爻
『艮為山(ごんいさん)』…上爻
『坤為地(こんいち)』…二爻 というふうになります。

 こういうときに、あなたの言うような一陰五陽の卦、つまりひとつの爻だけが陰であとはみな陽の卦というのと、一陽五陰の卦、一本が陽爻であとはみな陰であるという卦があります。
 
 例えば『風天小畜(ふうてんしょうちく)』であり、『天風コウ(てん
うこう)』であり、『沢天夬(たくてんかい)』であり他にもいろいろあるね。さっき出た『地雷復』もそうだし、『山地剥(さんちはく)』もそうだ。『水地比(すいちひ)』もそうか。このへんは皆、一本の陽爻または陰爻が、主爻になっています。例えば『天沢履(てんたくり)』であれば三爻の陰爻が主爻です。これはあなたの言うとおりです。つまり、そこだけ違うから、まわりとの違いをより顕著に指摘してくれているんだということだね。

 あとは『天火同人(てんかどうじん)』でも二爻の陰爻が主爻になっていますし、『天風コウ(てんぷうこう)』でも初爻の陰爻が主爻になっていますし、『沢天夬(たくてんかい)』は上爻の陰爻が主爻、『火天大有(かてんたいゆう)』は五爻の隆爻が主爻ですし、『雷地豫(らいちよ)』は四爻の陽爻が主爻です。それから『風天小畜(ふうてんしょうちく)』も陽爻が主爻となっています。

 でもこの考え方は三変筮の考え方ではないんだよ。六変筮の考え方なんだね。三変筮というのは基本的に、嘉右衛門流のように爻辞をもって判断をしてしまおうという考え方であって、六変筮は爻辞よりも卦のかたちがどう変わるかということを中心に見ていこうという考えの方が強いんだね。だから物事の推移を占うには六変筮の方がよくわかるし、結果を占うのは三変筮の方がわかりやすいということは言えます。

 
 
 
 
今回もすっごく勉強になりました!ありがとうございました!